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執筆者の写真Sugimoto

遠山先生の論文が「iScience」(2020年9月)に掲載されました

更新日:2021年3月26日

A02班の遠山周吾先生の論文(A01班杉本も共著)が科学誌「iScience」2020年9月号に掲載されています。

(このHPを作る前の成果でちょっとタイムラグがあります。すみません、、、)


アブストラクトを要約すると以下のような内容です。


未分化のヒト多能性幹細胞の脂質代謝について、プロテオーム解析(網羅的なタンパク質の解析)をしたというものです。このヒト多能性幹細胞の生存に、脂肪酸の合成(図ではFASNと表記)が重要な役割を果たしていることを示しました。さらに、この脂肪酸合成を阻害したところ、スフィンゴ脂質とホスファチジルコリンの低下がみられました。このホスファチジルコリンは、ヒト多能性幹細胞の生存に重要な物質です。

この阻害によって、ヒト多能性幹細胞ではミトコンドリアを仲介したアポトーシス、つまり細胞死が起きました。一方、神経細胞や肝細胞の脂肪酸には大きな変化がありませんでした。

さらにこの脂肪酸合成を阻害された状態の細胞を植えても癌化は見られませんでした。

つまり、この脂肪酸合成を阻害することは、再生医療において多能性幹細胞の生存を制御する可能性があるということです。面白いですね。


Open accessで本文にアクセスできます。詳しくはこちらを。


Dr. Toyama (A02) and Sugimoto (A01) published a collaborative work in iScience.



The role of lipid metabolism in human pluripotent stem cells (hPSCs)


We analyzed the different fatty acid (FA) biosynthesis-related enzymes of undifferentiated human pluripotent stem cells (hPSCs) by proteomics.


The inhibition of FASN resulted in a significant reduction of sphingolipids and phosphatidylcholine (PC), a key metabolite for cell survival in hPSCs.


Inhibition of FASN induced cell death in undifferentiated hPSCs.

However, it did not affect the survival of other cells.

Tumor formation following transplantation of FASN inhibitor-treated cells was not observed.


Very cool! See the detail in the manuscript. It's freely available.

https://www.cell.com/action/showPdf?pii=S2589-0042%2820%2930727-6


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